クルーズ船のフィットネスインストラクターというと、
グループレッスンやパーソナルトレーニングが主な仕事だと思われるかもしれません。
でも、実際にはそれだけではありませんでした。
私の業務の中には、ゲスト向けのセミナーも含まれていました。
日本人ゲストに日本語で行うセミナーは問題なく担当できていましたが、
正直、一番苦労したのは英語で30分間セミナーを行うことです。
この記事では、ダイヤモンド・プリンセスでフィットネストレーナーとして働いていた私が、
英語のセミナーで感じたプレッシャーや、苦労したこと、そして乗り越えるためにやったことをまとめています。
英語に自信がない中で人前に立つ不安や、準備の大切さについて、実体験ベースでお話しします。
この記事でわかること
1. セミナーでは何を話していたのか
私が主に担当していたセミナーは、次の2つです。
- Weight Loss for Health
ダイエットや腸内環境に関する内容 - How to Walk in Comfort
歩き方や姿勢に関する内容
それぞれ30分ほどで、スタジオやバーを会場にして、10〜20人ほどのゲストに向けて行っていました。
テーマ自体は、どちらも自分の専門分野です。
そのため、内容を理解すること自体はそれほど難しくありませんでした。
ただ、問題はそれを英語で、しかもゲストにわかりやすく伝えることでした。
知識があることと、それを外国語で伝えられることは、まったく別の話だと痛感しました。
2. 英語で話すプレッシャー
私が英語の勉強を始めた頃、
「言いたいことが全然口から出てこない」
という感覚を強く覚えていました。
よく、
「日本人はスピーキングが苦手」
「間違いを恐れている」
「正しく話そうとしすぎる」
と言われますよね。
もちろんそれもあると思います。
でも、私の場合はそれ以上に、そもそも言葉が出てこないことが大きな壁でした。
英語がまだできない頃は、逆にそこまでプレッシャーを感じていなかった気がします。
とにかく話す練習をして、会話を重ねることに必死でした。
ところが、英語力が少し上がってきて、実際にセミナーを任される段階になると、プレッシャーの質が変わってきました。
- 言葉選びを間違えないようにしないといけない
- 相手に理解してもらえるように話さないといけない
- 30分間きちんと成立させないといけない
こうした責任感が、一気にのしかかってきたんです。
プレッシャーを感じる瞬間は、成長のチャンスでもあります。
でも、そう簡単に英語力が急に伸びるわけではありません。
では、その中でどうやって乗り越えたのか。
次に、その話を書いていきます。
3. 苦労したことと克服のためにやったこと
一番苦労したのは、日常会話とは違うレベルで、筋道立てて話さなければいけないことでした。
セミナーでは、
- 話の流れを作ること
- 起承転結を意識すること
- 具体例を入れること
- ゲストにわかりやすく説明すること
- 納得してもらえる内容にすること
が求められます。
これは、日常会話のようにその場でパッと出てくるものではありません。
もし言葉に詰まってしまえば、そのまま空白の時間が生まれてしまいます。
日本語なら多少アドリブで話しても、本題に戻るのは難しくありません。
でも、英語ではそれが簡単ではなかったです。
正直、
「そんなの無理だろ…」
と感じることもありました。
克服のためにやったこと
結論から言うと、やったことはシンプルです。
練習、練習、練習。
本当にこれしかありませんでした。
実は乗船前、ロンドンのアカデミーで1か月間の研修を受けたのですが、その多くの時間がセミナー対策に使われていました。
残りがグループレッスンや栄養指導といった内容です。
私が実際にやっていたのは、主に次のようなことです。
- 英語の内容をまずしっかり理解する
- わからない部分はすべて日本語に訳す
- そこから自分が言いやすい表現に直す
- 各トピックごとに話せるようにする
- 繰り返し練習して体に入れる
- 同期の前で発表練習をする
- 寮に戻って一人でも何度も練習する
とにかく、準備が命でした。
これを怠れば、本番で確実に苦しくなります。
逆に言えば、準備を積み重ねれば、不安があっても何とか形にできるようになります。
自信がないなら、自信がつくまでやる。
それでも不安なら、せめて自信があるように見せる。
忘れてしまうなら、忘れなくなるまで繰り返す。
かなり時間も労力もかかりましたが、その積み重ねのおかげで、何とか人前で英語のセミナーをこなせるようになりました。
もちろん、今振り返っても「もっとこうできたな」と思う部分はあります。
それでも、あのときの自分なりには、できる限り準備して向き合っていたと思います。
4. この経験で得たもの
英語でセミナーをした経験を通して得たものは、英語力そのものだけではありませんでした。
以前の自分は、
「英語でセミナーをするのはまだ早い」
「30分も話し続けるなんて無理だ」
そう思っていました。
でも実際には、そんな自分が英語で30分のセミナーを担当していた。
この経験は、
“できないと思っていたことでも、準備と積み重ねで乗り越えられる”
ということを教えてくれました。
今でも、英語に完璧な自信があるわけではありません。
それでも、
「ちゃんと準備すれば、何とかなる」
と思えるようになったのは、自分の中で大きな変化です。
英語を本格的に勉強し始めた2年前には、こんな未来はまったく想像していませんでした。
だからこそ、この経験は今でも自分の中で大きな意味を持っています。
まとめ|一番苦労したからこそ、一番成長を感じた
ダイヤモンド・プリンセスで働く中で、一番苦労したのは英語でのセミナーでした。
知識があっても、それを英語で30分間わかりやすく伝えるのは簡単ではありません。
プレッシャーも大きく、何度も不安を感じました。
それでも、準備を重ねて、練習を繰り返して、本番を積み重ねていくうちに、少しずつできるようになっていきました。
あの経験があったからこそ、
「英語に自信がなくても、準備で補えることはたくさんある」
と実感できたと思います。
もし今、英語で話すことや、人前に立つことに不安を感じている方がいたら、
最初から完璧でなくても大丈夫だと伝えたいです。
準備して、繰り返して、少しずつ慣れていく。
その積み重ねが、自分を想像以上に前へ進めてくれることがあります。
