海の上にあるジムで働く。
それが、クルーズ船フィットネストレーナーの仕事です。
朝は海を眺めながらグループレッスンを担当し、日中はゲストへのトレーニング指導やセミナーを行います。
今回は、実際にクルーズ船で働いていた私の1日を紹介します。
1. クルーズ船フィットネストレーナーとは
「船の中にジムがあるの?」と思う方もいるかもしれません。
実は、多くのクルーズ船にはスパエリアがあり、その中にジムやフィットネス施設が併設されています。
私が所属していたのは One Spa World という会社で、このスパエリアを運営していました。
ここにはフィットネストレーナーだけでなく、次のようなスタッフも在籍しています。
- マッサージセラピスト
- ネイリスト
- フェイシャリスト
- 美容師
- 鍼灸師
- 美容外科医
こうしたスタッフが、ゲストに向けてリラクゼーションや健康、美容面のサポートを提供しています。
2. クルーズ船フィットネストレーナーの仕事内容
主な仕事内容は、次の5つです。
- グループレッスン
- パーソナルトレーニング
- セミナー
- 物販販売
- ジムの管理
グループレッスン
3人のトレーナーで5種類ほどのクラスを分担していました。
内容は、ストレッチ、ピラティス、ヨガ、サイクル、ブートキャンプなどです。
午前と午後を合わせて、1日に3〜4クラス、30〜45分のレッスンを担当していました。
パーソナルトレーニング
パーソナルトレーニングは60分のセッションです。
目的はゲストによってさまざまなので、まずはカウンセリングを行い、その人に合ったプログラムを作成します。
申し込みはそこまで多くなく、1日に1〜2人担当するかどうかという感じでした。
セミナー
無料のセミナーも2種類担当していました。
1つ目は、脂肪燃焼や代謝、健康に関するセミナー。
2つ目は、足跡から姿勢や歩行を考えるセミナーです。
実は、これが私にとってかなり大変でした。
英語でセミナーをする経験がそれまでなかったからです。
最初は苦労しましたが、回数を重ねるうちに少しずつ慣れ、「完璧ではなくても伝わること」が大切だと感じるようになりました。
やはり、場数を踏むことが一番大きかったと思います。
物販販売
物販では、姿勢や歩行、痛みの改善を目的としたアーチサポートや、肝臓・腸の機能、代謝をサポートするサプリメントなどを販売していました。
正直に言うと、売上は給料にも影響しますし、上からのプレッシャーもあります。
そのため、営業が苦手な人には少し大変かもしれません。
逆に、
- 営業が得意な人
- あまり気にしすぎないタイプの人
には向いている仕事だと思います。
ジムの管理
レッスンやパーソナルだけでなく、ジム内の清掃や備品の管理、器具の整理なども大切な仕事のひとつです。
ゲストが安全かつ快適に使える環境を整えることも、フィットネストレーナーの役割でした。
3. クルーズ船フィットネストレーナーの1日のスケジュール
クルーズ船フィットネストレーナーの1日は、思っている以上に忙しいです。
クラスやセミナーを担当しながら、ゲスト対応やジム管理、空き時間には物販販売も行います。
実際の1日のスケジュールはこのような流れでした。

見てわかる通り、クラスやセミナーの本数はかなり多めです。
3人で役割を分担しつつ、空いた時間に物販販売をしていました。
特に航海日は、ゲストが船内で過ごす時間が長いため、1日を通してかなり忙しくなることが多かったです。
一方で寄港日は、セミナーがなく、グループレッスンの数も減るので比較的ゆっくりできます。
ゲストの多くが船の外に出ているため、船内はかなり落ち着いた雰囲気になります。
4. 船ならではのトレーニング環境
クルーズ船で働く魅力のひとつは、やはり景色です。
窓の外には広大な海が広がり、その中でストレッチやヨガのクラスを行います。
そんな環境で体を動かす時間は、日常ではなかなか味わえない特別なものです。
レッスンが終わるころには、心も体もすっきりして、気持ちよく1日をスタートできる感覚がありました。
また、船ならではの面白さとして、揺れがあります。
揺れが大きい日はヨガの難易度が自然と上がり、ゲストもバランスを取るのに苦戦していました。
それでも、皆さんハプニングも含めて楽しんでいて、終始笑顔だったのが印象的です。
5. クルーズ船フィットネストレーナーの魅力
この仕事の最大の魅力は、多国籍のゲストとコミュニケーションを取りながらフィットネスを楽しめることだと思います。
ダイヤモンド・プリンセスでは、特に次の国のゲストが多い印象でした。
- アメリカ
- オーストラリア
- カナダ
- イギリス
もちろん、それ以外にもドイツ、スペイン、ロシア、ブラジル、シンガポール、ベトナムなど、本当にさまざまな国の人と出会えます。
英語が通じない場面もあります。
ですが、フィットネスを楽しむうえで、言葉だけがすべてではありません。
笑顔やジェスチャー、その場の雰囲気で意外と何とかなることも多いです。
また、ダイヤモンド・プリンセスは豪華客船ではありますが、比較的カジュアルな雰囲気の船でもあります。
そのため、船全体にかたすぎない居心地の良さがあり、働く側としても過ごしやすい空間でした。
まとめ
クルーズ船フィットネストレーナーの仕事は、華やかに見える一方で、実際はかなり忙しい仕事です。
グループレッスン、パーソナルトレーニング、セミナー、物販、ジム管理など、やることは多く、体力も求められます。
それでも、海の上という特別な環境で、多国籍のゲストやクルーと関わりながら働ける経験は、この仕事ならではの魅力です。
「海の上で働くってどんな感じなんだろう」
「クルーズ船のフィットネストレーナーって実際どんな仕事をするの?」
そんな方にとって、少しでもイメージが伝わればうれしいです。
